読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Ruru saizeria.

変わってしまう何か変わり続ける何か

もう居ないかもしれない彼女へ

私がインターネットを始めた頃、とある掲示板によく通っていた。そこのスレッドの一つに「次の年明けになったら死にます(^O^)」というスレがあった。

「次の年明けになったら死にます(^O^)」というスレ主はとても「死」を考えているようには思えず、元気だった。「今日会社で何があった」とか「家族がどう」とか、そういうありきたりな話をスレで仲間と話していた。私は不思議に思った。「どうして毎日こんなに楽しそうに生きているのに死にたいと思うんだろう?」と。

当時の私に人間のポーカーフェイス、空元気、躁状態などがわからなかった。
スレ主はOLで、私はすぐ仲良くなった。はっきり覚えていないがpcのメアドも交換したと思う。
当時は私は幼くて彼女に無神経な質問ばかりしていたと思う。

スレ主はとても明るく穏やかな人だった。優しく、私が落ち込んでいても慰めてくれた。
そんな彼女が仲良くなるにつれて「死んでしまう」という事が私には耐えられず、説得を試みた。

彼女は他人の事はたくさん聞くし、
私のこともたくさん聞いてくれた。
しかし、自分のことになると一切話してくれない。説得も聞いてくれない。
スレに集まった皆が彼女を説得するが、聞いてくれなかった。
「死ぬ」という強い意志が彼女にはあった。
その時の私には到底理解できないような事を彼女は背負いこんでいたのかもしれない。

年明けになった。彼女と連絡が取れなくなった。
スレの皆が心配した。私も心配したが、すぐに忘れてしまった。
数ヶ月後にその掲示板を見ると「年明けに死ぬといっていた人、生きていますか?」というスレが立っていたが彼女らしき人からの返信はなかった。

時々思い出す、母親の彼氏が持ってきてくれたXPのディスクトップの前で彼女のメールの返事を打ちながら「死なないでほしい」と密かに祈ってた事を。


彼女が生きているのか、死んでしまったのか今となってはわからない。もしかしたら元気に過ごしているのかもしれない。
生きている人間には目標が必要だ、何かを成し遂げるという強い信念や希望。
彼女は希望を抱いていた。それを強く持ち、他人の意見など一切聞かず自分の生活を送っていた。
その希望は「死ぬ」という事だった。
私なんかが、その唯一の希望を彼女から奪えたのだろうか、とたまに考える。

生きながら死ぬ事を目標に生きている人、それはもう死んでいる事と同意義ではないのか。


昔はたくさん悩んだ。でも今なら彼女に会って私は頬を3発くらい殴れると思う。
それからカフェなどでお互いの話をできたら最高だ。

そんな事を思いながらも2014年の12月を過ごしている。